【初心者向け】立面図の書き方を手順で解説|平面図から高さを立ち上げる10ステップ

平面図が描けるようになると、次に出てくるのが立面図です。

「平面図は部屋の配置だから、なんとなくわかる。でも立面図の高さって、どこから決めるの?」

僕も最初はここで手が止まりました。窓をそれっぽい場所に描いたら平面図と位置がずれていて、指摘されたこともあります。(笑) 課題だから良かったですが、仕事などでこのようなミスは勿論許されませんね。

実は立面図は、平面図の線をまっすぐ伸ばしていくだけで、ほとんど描けます。あとは「高さの基準」を先に決めておけば、迷う場面はぐっと減ります。

この記事では、平面図の記事と同じ木造2階建ての家を使って、立面図を手書きで描く手順を10ステップで紹介します。

この記事でわかること
  • 立面図とは何か、平面図とどうつながっているか
  • 描き始める前に決めておく「高さの基準」
  • 南立面図を手書きで描く10ステップ(手順画像+GIF付き)
  • 初心者がやりがちなミスと、その防ぎ方

平面図の描き方がまだ不安な人は、先にこちらを読んでおくとスムーズです。

目次

今回描く建物

この記事では、平面図の記事と同じ木造2階建ての住宅を使います。まずは完成した建物の姿を見て、どんな家の立面図を描くのかイメージしておきましょう。

項目内容
構造・階数木造2階建て
間口(横幅)9,100(X1〜X4:3,640・2,730・2,730)
奥行き7,280(Y1〜Y3:3,640・3,640)
1階の間取りLDK・寝室2・浴室・洗面・トイレ・玄関ホール・階段
屋根切妻屋根(本を開いて伏せたような形)・4寸勾配
いちばん高いところ地面から約7,750

今回、手順で描くのは手前左側に見えている南側の面(南立面図)です。右側の、屋根が三角形に見える面が東立面図になります。玄関は北側にあるので、南立面図には出てきません。

描く前に「どの方向から見た面か」をパースや平面図で確認しておくと、窓の位置を取り違えるミスが減ります。

立面図とは?平面図との関係

立面図は「建物を真横から見た絵」

立面図は、建物の外観を東西南北の4方向から、まっすぐ水平に見て描いた図面です。英語ではElevation(エレベーション)と呼ぶので、製図室で「エレベ」と略されているのを聞くかもしれません。

パースと違うのは、遠近感をつけないこと。手前の壁も奥の壁も同じ縮尺で描くので、図面から寸法を測れます。

平面図から高さを「立ち上げる」イメージ

立面図の横方向の位置は、すべて平面図に書いてあります。通り芯(柱や壁の中心を通る基準線)、壁の端、窓の位置。これを平面図からまっすぐ線を伸ばして拾うのが基本です。

立面図で新しく決めるのは、高さ方向の情報だけ。床の高さ、屋根の高さ、窓の高さ。ここさえ押さえれば、立面図は怖くありません。

ポイント 南立面図なら、北を上にした平面図を立面図の真上に置いて描くと、位置を拾うのがぐっと楽になります。製図板なら、平面図をテープで仮止めしておくのがおすすめです。

平面図から立面図を作図する時の状況

手書きとCADで何が違う?

手書きでは、平面図を下に並べて線を「拾う」作業が中心になります。

CADでは平面図の通り芯や窓位置をコピーして、高さ方向だけ追加していくのが一般的です。

描く順番の考え方は同じなので、この記事の手順はCADでもそのまま使えます。

描く前に決めておく「高さ」の基準

GL・FL・軒高・最高高さ

立面図でいちばん大事なのが、この4つの高さです。先に数字を決めてから描き始めると、途中で手が止まりません。

記号意味
GL地面の高さ(Ground Level)。すべての高さの基準
1FL1階の床の高さ(Floor Level)
2FL2階の床の高さ
軒高外壁の上端、屋根がのる高さ
最高高さ屋根のてっぺん(棟)

GLがとても重要です。GL線の記載がないだけで大幅減点にする教授は少なくありません!

1FLがGLより高いのは、木造住宅では基礎の上に床をつくるからです。だいたい400〜500mmくらいが目安になります。

屋根勾配の考え方

屋根の傾きは「○寸勾配」で表します。4寸勾配なら、水平に10進むと4上がる傾きです。

今回の家は、建物の奥行き7,280の真ん中に棟がある切妻屋根なので、外壁から棟までの水平距離は3,640。そこから屋根の上がり分を計算すると、

3,640 × 0.4 = 約1,456mm

となり、軒高に足すと棟の高さが出ます。屋根材の厚みを含めて、最高高さはGL+約7,750です。

屋根の高さは「なんとなく」で描くと、立面図と断面図で形が合わなくなります。勾配から計算しておくと、次の断面図でもそのまま使えます。

屋根の形と勾配の描き方(準備中)

立面図の描き方|10ステップ

ここからは、南側から見た「南立面図」を1/100で描いていきます。最初は薄い補助線で全体をつくって、最後に線の太さを描き分ける流れです。

STEP
GL線を引く

まず地面のラインを1本、横に長めに引きます。1/100なら建物の幅9,100は用紙の上で91mmなので、左右に3cmずつくらい伸ばしておくと、あとで屋根のはみ出しや寸法を入れる余裕ができます。この線がすべての高さの基準になります。

STEP
通り芯を平面図から下ろす

平面図のX1〜X4の通り芯を、GL線に向かってまっすぐ下ろします。間隔は3,640・2,730・2,730で、合計9,100。一点鎖線(長い線と点を交互にくり返す線)で薄く引いておきます。

STEP
高さの基準線を引く

GLから上に、1FL(+450)、2FL(+3,350)、軒高(+6,150)の線を薄く引きます。ここで高さを全部決めてしまうのがコツです。

高さの線は、開口部などに入る前にそろえておきましょう。

STEP
外壁の輪郭を描く

平面図の外壁の位置を拾って、左右の壁の線を1FLから軒高まで立ち上げます。これで建物の「箱」ができました。

STEP
屋根を描く

南側から見ると、屋根は斜めの面が手前に見えるので、横長の帯のように見えます。外壁から600はみ出させて、屋根の下の端の線と、てっぺんの線を引きます。建物の左右の端も、同じく屋根を600はみ出させます(この部分を「ケラバ」と呼びます)。

屋根の下の端は、傾きの分だけ軒高より少し下がります(600×0.4=240)。細かいですが、ここが合っていると図面がぐっと締まります。

STEP
窓を平面図から拾って描く

平面図の南側(Y1の通り芯)にある窓の位置を、そのまま下ろします。今回は、LDKに幅1,820の掃き出し窓(床まである大きな窓)が2か所、寝室に幅910の腰窓(腰の高さから上にある窓)が1か所です。

高さは、掃き出し窓なら床から上の端まで2,000前後、腰窓なら床から900くらいを下の端にするのが目安です。2階の窓も、1階と位置をそろえて描きます。

窓の位置を目分量で描くと、平面図とずれます。必ず平面図から線を下ろして拾いましょう。

STEP
基礎・水切りなどの細かいところ

GLから1FLまでの間に見える基礎の線、外壁の下の端の水切り(雨水が基礎に回らないようにする細い板)、窓の上の線などを描き足します。ここまで来ると一気に家らしくなります。

※ステップ7の内容は課題や学校によっては省略がOKな場合があります。

STEP
線の太さを描き分ける

補助線の上から、本番の線をなぞります。太さの目安はこの3段階です。

  • いちばん太い線:GL線
  • 太い線:建物の外形(外壁・屋根の輪郭)
  • 細い線:窓や水切りなどの細かいところ

手前にあるものほど太いと覚えておくと迷いません。手書きなら、シャープペンを0.7・0.5・0.3mmの3本で使い分けると、力加減に頼らずに太さをそろえられます。

線の種類と太さのルールは、別の記事でまとめる予定です。

STEP
高さの寸法・通り芯の記号を書き込む

建物の横に、GL・1FL・2FL・軒高・最高高さの寸法を縦に入れます。下には通り芯の記号(X1〜X4)と、通り芯の間の寸法(3,640・2,730・2,730)を入れます。平面図と同じ数字になっているか、ここで一度照らし合わせておくと安心です。

寸法の描き方については別記事を準備中です。

STEP
図面名・縮尺・仕上げを入れて完成

図面の下に「南立面図 S=1/100」と書き、屋根や外壁の材料を引き出し線で書き込めば完成です。

立面図でよくあるミス

講評や添削でよく指摘されるのは、だいたいこの4つです。

  • 窓の位置が平面図とずれている:目分量で描くと起きがち。必ず平面図から拾う
  • GL線が細い:地面が弱いと、建物が浮いて見える。いちばん太く描く
  • 屋根の形が面ごとにバラバラ:南と東で、屋根のはみ出しや高さが違っていないか確認する
  • 高さの寸法の書き忘れ:立面図は高さを伝える図面。最高高さまで必ず入れる

描き終わったら、平面図と並べて窓の位置を指でなぞってみてください。これだけでかなりのミスが見つかります。

東立面図も描いてみよう

南立面図が描けたら、東立面図にも挑戦してみましょう。手順はまったく同じです。

違うのは屋根の見え方。東側から見ると、屋根の三角形の面が正面に見えます。幅は奥行きの7,280に、屋根のはみ出し分を足した長さ。てっぺんの高さはGL+約7,750です。

東立面図の完成図を見る

東立面図では、Y1〜Y3の通り芯を平面図から拾います。平面図を90度回して置くと、南立面図と同じ感覚で描けます。

CADで描くなら

CADで立面図を描く場合も、考え方は手書きと同じです。平面図の通り芯や窓の位置を使って、高さ方向の線を足していきます。

JW_CADでの具体的な操作は、こちらのページをご覧ください。※一部準備中

立面図のよくある質問(Q&A)

立面図は何面描けばいいですか?

基本は東西南北の4面です。ただ課題によっては「主な2面」などと指定されることもあるので、課題文を確認しましょう。迷ったら、玄関がある面と、屋根の形がわかる面の2つを優先すると伝わりやすいです。

窓の高さはどうやって決めればいいですか?

掃き出し窓やドアは床から2,000前後、腰窓は下の端を床から900くらいにするのが一般的です。窓の上の端の高さをそろえておくと、立面図がすっきり見えます。窓に関する記事を準備していますので、お待ちください。

立面図と断面図、展開図は何が違うんですか?

立面図は建物を「外から見た姿」、断面図は建物を切って「中の高さ」を見せる図面です。展開図は部屋の中に立って、四方の壁を見た図面になります。外か、切った面か、部屋の中か、で覚えると混乱しません。

影や人、木などは入れたほうがいいですか?

図面として提出するなら、なくても問題ありません。ただプレゼンボードに載せる場合は、影や人、木を入れると、立体感や建物の大きさがぐっと伝わります。

→ 立面図の影・添景の入れ方(準備中)

1/100と1/50で描き込みは変わりますか?

変わります。1/50では、外壁の継ぎ目やサッシ(窓の枠)、水切りの厚みなど、1/100では省く細かいところまで描き込むのが一般的です。

まとめ

立面図は、平面図から位置を拾って、高さの基準に沿って描いていけば、手順どおりに完成します。

  • 横方向の位置は、すべて平面図から拾う
  • 描き始める前に、GL・FL・軒高・最高高さ を決める
  • 屋根は傾きから計算する
  • 最後に線の太さを描き分ける

平面図と立面図がそろったら、次は建物を切って中の高さを見せる「断面図」です。今回決めた高さの数字がそのまま使えるので、メモしておいてください。

→ 断面図の書き方(準備中)

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